(問題の可読性を高めるため、文章を一部改変した)

\(p,\ q\) を実数とする。 \[ x^2+px+q=0 \cdots\cdots\cdots ①\\ x^2+qx+p=0 \cdots\cdots\cdots ② \] ① または ② を満たす実数 \(x\) の個数を \(n\) とおく。

  1.  \(p=4,\ q=-4\) のとき, \[ ①\ は\ x^2+4x-4=0\ より, 実数解は\ x=-2\pm2\sqrt2\ となる。\\ ②\ は\ x^2-4x+4=0\ より, 実数解は\ x=2\ となる。 \] よって, \(\underline{n=3}\) である。
    また, \(p=1,\ q=-2\) のとき, \[ ①\ は\ x^2+x-2=0\ より, 実数解は\ x=-2,\ 1\ となる。\\ ②\ は\ x^2-2x+1=0\ より, 実数解は\ x=1\ となる。 \] よって, \(\underline{n=2}\) である。

  2.  \(p=-6\) のとき, \(n=3\) になる場合を考える。 \(\alpha^2-6\alpha+q=0\ \cdots\ ①,\ \alpha^2+q\alpha-6=0\ \cdots\ ②\) となるので, ① から ② の差をとると
    \(-(6+q)\alpha+q+6=0\) すなわち \[ -(q+6)(\alpha+1)=0 \] \(q=-6\) のとき \(p=q\) となり, ① と ② は同じ式になるので, 題意を満たさない。
     \(\alpha=-1\) のとき, \(q=5\) となり, ① が \(x^2-6x+5=0=(x-5)(x-1)=0\) より \(x=1,\ 5\), ② が \(x^2+5x-6=(x-1)(x+6)=0\) より \(x=1, -6\)
    したがって, \(n=3\) となる。
     また, \(q=9\) のとき, ① が \(x^2-6x+9=(x-3)^2=0\) より \(x=3\) , ② が \(x^2+9x-6=0\) より \( \displaystyle x=\frac{-9\pm\sqrt{105}}{2}\) となるので, \(n=3\) となる。
    したがって, \(n=3\) となる \(q\) の値は \[ \underline{ q= 5,\ 9} \]

  3.  \(p=-6\) に固定したまま, \(q\) の値だけを変化させる。 \[ y=x^2-6x+q \cdots\cdots\cdots ③\\ y=x^2+qx-6 \cdots\cdots\cdots ④ \]  ③ を変形して \(y=(x-3)^2+q-9\) より, ③ の頂点は \((3,\ q-9)\)
    このことより, \(q\) が \(1\) より大きくなったとき, 頂点の \(x\) 座標は変化せず \(y\) 座標のみが大きくなる。
    (③のグラフの変化の様子を右側あるいは下側で実際に確認できる)
     ④ を変形して \(\displaystyle y=\left(x+\frac{q}{2}\right)^2-\frac{q^2}{4}-6\) より, ④ の頂点は \(\displaystyle \left(-\frac{q}{2},\ -\frac{q^2}{4}-6\right)\)
    このことより, \(q\) が \(1\) より大きくなったとき, 頂点の \(x\) 座標も \(y\) 座標も小さくなる。
    (④のグラフの変化の様子を右側あるいは下側で実際に確認できる)

  4.  \( 5 < q < 9 \) とする。全体集合 \(U\) を実数全体の集合とし, \(U\) の部分集合 \(A,\ B\) を \[ A = \{ x | x^2-6x+q < 0 \}\\ B = \{ x | x^2+qx-6 < 0 \} \] とする。 \(U\) の部分集合 \(X\) に対し, \(X\) の補集合を \(\overline{X}\) と表す。
    \(A\) について,
    \(q=5\) のとき \(x^2-6x+5=(x-1)(x-5)<0\) より \(1 < x < 5\),
    \(q=9\) のとき \(x^2-6x+9=(x-3)^2<0\) より解なしとなるので, 両方の範囲を合わせて \[ A = \{ x | 1< x < 5 \} \] また, \[ \overline{A} = \{ x | x \leqq1 ,\ 5 \leqq x \} \] \(B\) について,
    \(q=5\) のとき \(x^2+5x-6=(x+6)(x-1)<0\) より \(-6 < x < 1\),
    \(q=9\) のとき \(x^2+5x-6<0\) より \(\displaystyle \frac{-9-\sqrt{105}}{2} < x < \frac{-9+\sqrt{105}}{2}\) となるので, 両方の範囲を合わせて \[ B = \left\{ x {\Huge |} \frac{-9-\sqrt{105}}{2}< x < 1 \right\} \] したがって, \(A\) と \(B\) の間には集合の包含関係がないことが分かり, \(B\) は \(\overline{A}\) の部分集合であることが分かる。
    このとき, 次のことが成り立つ。

    • \(x \in A\) は, \(x\in B\) であるための, 必要条件でも十分条件でもない
    • \(x \in B\) は, \(x\in \overline{A}\) であるための, 十分条件であるが, 必要条件ではない

(3)のためのグラフ

\( y=x^2-6x+q \cdots\cdots\cdots ③\) のグラフ

\(q=\)(\( 1 \leqq q \leqq 10 \))

黒い破線が \( y=x^2-6x+1 \) のグラフで, 青い実線が のグラフである。

\( y=x^2+qx-6 \cdots\cdots\cdots ④\) のグラフ

\(q=\)(\( 1 \leqq q \leqq 5 \))

黒い破線が \( y=x^2+x-6 \) のグラフで, 青い実線が のグラフである。

(4)のためのグラフ

\( A = \{ x | x^2-6x+q < 0 \},\ B = \{ x | x^2+qx-6 < 0 \}\)

\(q=\)(\( 5 \leqq q \leqq 9 \))

関数:(赤い線)

関数:(青い線)

\( A \) の領域はピンク色になっています。

\( \overline{A} \) の領域は黄色になっています。

\( B \) の領域は水色になっています。

この図形を作成するためにSVGGraph.jsを利用しています。